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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻5号

1995年05月発行

文献概要

論述

骨軟部腫瘍における201T1シンチグラフィーの有用性

著者: 徳海裕史1 土屋弘行1 砂山千明1 松田英三1 朝田尚宏1 瀧淳一2 隅屋寿2 宮内勉2 富田勝郎1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科 2金沢大学医学部核医学

ページ範囲:P.595 - P.601

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 抄録:201T1は従来心筋の血流とviabilityの評価に有用な核種であるが,近年,骨軟部腫瘍における有用性が注目されている.今回,骨軟部腫瘍に対する201T1シンチグラフィーの有用性を検討した.対象は組織診断が確定している術前施行例136例であった.結果,T1の集積は悪性骨軟部腫瘍の80%に認めた.しかし軟骨肉腫では8例中2例,悪性神経鞘腫の3例中1例のみ集積を認めた.これに対し良性骨軟部腫瘍及び腫瘍類似疾患の多くは集積を認めなかった.しかも陽性描画例の多くは巨細胞腫,軟骨芽細胞腫,線維腫症と特定の組織型に限られていた.また再発した悪性腫瘍8例では全例に集積を認め,化学療法前後に撮影できた悪性腫瘍23例では組織学的有効例においてT1の集積低下を認め,高い相関性を示した.T1シンチグラフィーは例外を考慮したうえで,良悪性の鑑別に有用であり,陽性描画例においては局所再発の検索や化学療法の効果判定に有用と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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