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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻5号

1995年05月発行

文献概要

臨床経験

肝機能障害患者に発症し,自然治癒した脊髄硬膜外血腫の1例

著者: 後藤正則1 西村龍彩2 森本剛司1

所属機関: 1社会保険羽津病院整形外科 2亀山市立医療センター整形外科

ページ範囲:P.637 - P.639

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 抄録:症例は54歳,女性.3年来の慢性肝炎症患者で,肝機能障害に基づく出血性素因を有していた.歩行中特に誘因無く,突然疼痛と共に両下肢の麻痺が出現し,歩行不能となった.脊髄造影にて脊髄硬膜外血腫と診断され手術が予定されたが,発症当日中から症状が徐々に軽快したために手術が見合わされ,1週間の経過で完全に自然治癒した.過去の報告から,自然治癒の生ずる要因について検討した結果,血腫高位の解剖学的環境や広がりは重要な因子とは言えなかった.一方,軽症例が多く,麻痺の回復は早期に始まり,出血性素因を有する例が多い傾向があり,自然治癒のメカニズムに一つの示唆を与えていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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