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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻5号

1995年05月発行

文献概要

臨床経験

いわゆるBoxer's Knuckleの2例

著者: 尼子雅敏1 根本孝一1 中島秀人1 堀川治2 桑原俊英3

所属機関: 1防衛医科大学校整形外科 2自衛隊富士病院整形外科 3自衛隊体育学校

ページ範囲:P.643 - P.645

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 抄録:いわゆるboxer's knuckleの2例を経験し,手術的治療により良好な成績を得た.症例1は22歳のボクシング全日本ミドル級チャンピオンである.試合中受傷し,MP関節背側の疼痛と腫脹を生じた.近医で保存的治療を受けていたが軽快せず,受傷半年後に手術を施行した.expansion hoodは軽度の菲薄化と発赤のみで明らかな断裂はなかったが,その下層の背側関節包が鋭利に断裂していた.このような損傷形態は従来の分類に含まれていないものである.症例2は,19歳の元ボクシング選手で,スチール製ロッカーを叩いて受傷した.MP関節背側の疼痛と腫脹を主訴に受診し,保存的に軽快しないため受傷2カ月後手術を施行した.expansion hoodと背側関節包の断裂が認められた.症例1,2とも断裂部の辺縁を新鮮化し縫合した.術後疼痛は消失し,良好な機能を回復して受傷前のスポーツ活動に復帰できた.boxer's knuckleに対しては積極的に手術を行うことにより,早期のスポーツ復帰が可能となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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