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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻5号

1995年05月発行

文献概要

臨床経験

頚部リンパ節生検後に発生した副神経麻痺の1例

著者: 桝谷厚志1 岡田正人1 愛川肇1 藤井正則1 西島雄一郎1 東田紀彦1 山崎安朗1

所属機関: 1金沢医科大学整形外科

ページ範囲:P.651 - P.653

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 抄録:頚部リンパ節生検後の手術瘢痕による絞扼が原因で発生した稀な副神経麻痺の1例を経験した.症例は66歳女性で,他医にて右頚部リンパ節生検を受け,約1週間後より右肩甲帯部の疼痛と倦怠感が出現し,生検3カ月後に当科を紹介され受診した.右僧帽筋の筋萎縮と鎖骨上窩の陥凹が高度であった.筋電図所見では僧帽筋上・中部線維にdenervation potentialを認めた.副神経の切断と考え,神経縫合術あるいは神経移植術を予定して手術を施行した.しかし副神経の切断は認められなかった.副神経が瘢痕組織によって高度に絞扼されている所見がみられたため,神経剥離術を施行した.術直後より右肩甲帯部痛と倦怠感は消失し,僧帽筋の筋萎縮も徐々に改善しており,術後経過は良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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