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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻5号

1995年05月発行

文献概要

臨床経験

肩鎖関節脱臼用装具の圧迫によると思われる前骨間神経麻痺の1例

著者: 林成治1 坂中秀樹2 宮内晃3 舟越晃一1 松田英雄4 山野慶樹1

所属機関: 1大阪市立大学医学部整形外科 2関西労災病院整形外科 3大阪労災病院整形外科 4越川整形外科病院

ページ範囲:P.661 - P.664

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 抄録:肩鎖関節脱臼の治療に伴って前骨間神経麻痺を生じた1症例を経験したので報告した.症例は50歳の男性,肩鎖関節脱臼に対し,前腕回内位で4週間の肩鎖関節脱臼用装具装着後,母指IP関節,示指DIP関節の屈曲困難が生じた.5カ月間保存的治療を行ったが軽快しなかったため,神経剥離術を施行した.術中所見および術中電気診断によって円回内筋筋枝,前骨間神経およびこの間の正中神経本幹での広範な神経障害が観察された.肩鎖関節脱臼用装具装着下に前腕部のMRI横断像を検討した結果,前腕回内位では浅層屈筋群は圧迫変形しており,麻痺発生機序は正中神経の内後方の神経束群が橈骨に対して圧迫されることが一因であると推察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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