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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻5号

1995年05月発行

文献概要

臨床経験

棘下筋・腱が整復障害因子となった外傷性肩関節後方脱臼骨折の1例

著者: 小川祐人1 佐々木孝1 長山信幸1 堀田拓1 小川清久2

所属機関: 1済生会神奈川県病院整形外科 2慶應義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.669 - P.672

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 抄録:上腕骨頭が関節包および腱板を破り関節外に逸脱し棘下筋・腱が整復障害となった肩関節後方脱臼骨折の1例を経験したので報告する.症例は21歳男性,自動車運転中,電柱に激突し受傷した.当日,局麻下に徒手整復を試みるも整復は得られなかった.単純X線とCT所見より,上腕骨頭が棘下筋・小円筋間で関節外に逸脱し,棘下筋が上腕骨頭と関節窩の間に介在していることが予想された.逸脱口に上腕骨頭を正対させるように上肢をゼロポジションまで挙上し持続牽引をし整復位を得た.後の逸脱口閉鎖を目的とした手術で上記の病態は確認された.後方脱臼骨折では通常,上腕骨頭は関節包内に止まるが,自験例では骨頭は関節包外に逸脱し,さらに骨折した大・小結節が骨膜により骨幹部と連続性を保っていたため棘下筋が整復障害因子となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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