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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻6号

1995年06月発行

文献概要

臨床経験

骨膜下動脈瘤様骨嚢腫の2例

著者: 原則行12 山脇慎也1 姥山勇二1 井須和男1 山城勝重3

所属機関: 1国立札幌病院整形外科 2現:北海道大学医学部整形外科 3国立札幌病院病理部

ページ範囲:P.729 - P.732

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 抄録:大腿骨小転子下に発生した骨膜下動脈瘤様骨嚢腫(骨膜下ABC)の2例を経験した.症例は16歳男性と17歳女性である.2例ともX線上,大腿骨小転子下に骨殻で覆われた軟部陰影と骨皮質の浸食を認めた.CTでは骨皮質から軟部に突出した陰影の外縁を骨性の被殻が覆っていた.生検にてABCの診断を得て,手術を施行.2例とも骨膜下から腫瘤を切除した.被殼に覆われた腫瘤の大半は空洞であり,空洞内に凝血塊を認めた.組織学的には線維性組織からなる隔壁の中に血液を含んだ空隙が見られ,その隔壁の細胞に異形性はなく,部分的に巨細胞を混じえていた.
 骨膜下ABCは長管骨の全ABCの10%以下の頻度であるとされている.X線上,初期の段階では骨膜の反応性骨形成が少なく骨皮質の破壊が強調されるため悪性腫瘍との鑑別が重要である.生検による確定診断が必要と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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