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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻6号

1995年06月発行

文献概要

臨床経験

MRIが有用であった膝蓋骨疲労骨折の1例

著者: 廣瀬隼1 森澤佳三1 高木克公1 鬼木泰博2 山隈維昭2 津留隆行2

所属機関: 1熊本大学医学部整形外科教室 2リハビリテーションセンター・熊本回生会病院

ページ範囲:P.743 - P.746

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 抄録:早期膝蓋骨疲労骨折の診断にMRIが有用であった1例を経験したので報告する.症例は18歳,男性,バスケットボール選手.左膝蓋骨前面痛を主訴に当科を受診した.初診時,局所の圧痛を認めたが,単純X線像では明らかな骨折線は認められなかった.7週後の再診時にMRI撮影を実施し,矢状断で膝蓋骨下極に,TI強調像,T2強調像でともに骨折を疑わせる所見が認められたので,スポーツ活動を中止させ保存的療法で症状の改善をみた.膝蓋骨疲労骨折のMRI所見の特徴は,T1,T2強調像ともに矢状断で,膝蓋骨下極に明瞭な線状の低信号域が認められ,骨折線周囲に骨髄内部の浮腫と考えられる変化がT1強調像で低信号,T2強調像で高信号を呈する.MRIは疲労骨折に特異的な所見を持ち,単純X線写真で異常を認めない場合や所見のはっきりしない場合,その鑑別診断に有用と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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