icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻6号

1995年06月発行

文献概要

臨床経験

胸椎部硬膜から発生した悪性黒色腫の1例

著者: 楠美穂1 菊地臣一1 渡辺栄一1

所属機関: 1福島県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.747 - P.750

文献購入ページに移動
 抄録:胸椎部硬膜から発生した悪性黒色腫の1手術例を報告した.50歳男性で,初発症状は両側背部から腹部への帯状痛であり,2カ月後に歩行時のふらつきが出現した.5カ月後に当料に入院した.神経学的所見で,筋力低下はなかったが,T10以下の知覚鈍麻を認めた.また,挙睾筋反射が両側で消失していた.脊髄造影とMRIよりT7からT8にかねての脊髄背側の硬膜外腫瘍と診断した.MRI画像では,T1強調画像で高信号,T2強調画像で低信号,T1強調Gd増強像で不均一な増強を呈し,悪性黒色腫に特徴的な所見を呈していた.手術により,硬膜の背側に被膜に覆われた黒色の腫瘍が確認された.その基部の硬膜は全周性に,かつ頭尾方向に長く黒色を呈していた.腫瘍塊のみを切除した.MRIは悪性黒色腫の組織診断には有用であったが,病巣の広がりを判定することは不可能であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら