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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻6号

1995年06月発行

文献概要

臨床経験

腓骨頭不安定症の1例

著者: 佐藤啓二1 杉浦英志1 山村茂紀1 近藤精司1 川上紀明1 出口正男1 黒河内和俊1

所属機関: 1名古屋大学医学部整形外科

ページ範囲:P.765 - P.769

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 抄録:左膝関節外側部より下腿外側にかけて日常勤務に支障のある程の疼痛を生じている25歳,女性例を経験した.両腓骨頭はあたかも外側亜脱臼位を呈しているように外側に膨隆し,膝関節90°屈曲位・大腿二頭筋弛緩肢位で両腓骨頭に著しい不安定性(2cm以上の前方への動揺性)を認めた.理学所見と種々の画像検査より腰椎疾患を否定した.MRI上膝周辺には疼痛を生ずる腫瘤性病変はなく,また炎症性変化も認めず,近位脛腓関節には水腫も認めず,下腿筋電図所見も正常であったため,腓骨頭不安定症と診断した.ステロイド剤の局所注射によって疼痛は半減すると共に,膝上バンドの装用によって8割程度の疼痛軽減をみた.外傷性腓骨頭脱臼の文献より腓骨頭の安定化機構と腓骨頭不安定のメカニズムを考察し,さらに3例の腓骨頭不安定症の文献的考察を行った.また腓骨頭不安定症に伴う疼痛発生のメカニズムについてenthesopathyの観点より推論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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