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脳室腹腔交通術により脊髄内の空洞の縮小が認められたChiari奇形I型合併の脊髄空洞症の1例
著者: 井須豊彦1 田中徳彦1 小林延光1 斉藤久壽1
所属機関: 1釧路労災病院脳神経外科
ページ範囲:P.771 - P.775
文献購入ページに移動脳室腹腔交通術における空洞縮小メカニズムは,通常,シャント手術により脳室内圧の低下が起こり,obex部を介する中心管への脈圧の減弱が関与していると考えられているが,本症例では,以下のごとく考えられた.つまり,シャント手術にて,頭蓋内圧が減少することにより,脊椎管内へ下垂した小脳扁桃が挙上しcisterna magnaが形成され,それにより,大後頭孔部の髄液流通障害が改善したことが空洞縮小のメカニズムと考えられた.
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