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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻6号

1995年06月発行

文献概要

臨床経験

全踵骨摘出術を施行した踵骨慢性骨髄炎の1例

著者: 山口美樹1 野口昌彦1 玉井幹人1 原浩史1 平澤泰介1

所属機関: 1京都府立医科大学整形外科

ページ範囲:P.777 - P.780

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 抄録:われわれは難治性の踵骨慢性骨髄炎に対して全踵骨摘出術を施行した1例を経験したので報告する.症例は32歳女性で,1989(平成元)年にSLEと診断され,1991(平成3)年3月,左足関節外側部の疼痛と腫脹を主訴として当科を初診した.SLEによる多関節炎の診断のもとに免荷,消炎鎮痛剤で保存的に治療したが,11月に瘻孔形成と膿の排出を認め,12月にはMRSAを検出した.1992(平成4)年1月,左踵骨骨髄炎の診断で当科へ入院,病巣骨掻爬術を施行したが再発したため,8月,再度病巣骨掻爬術と新たに持続潅流装置を留置した.しかし,10月,再度MRSAを検出したため全踵骨摘出術を施行した.術後2年の現在も経過良好である.屋外では短下肢装具を装着し,室内では装具なしで疼痛なく歩行している.われわれは難治性の踵骨慢性骨髄炎に対する全踵骨摘出術は有用な治療法と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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