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“骨誘導因子(BMP)”臨床応用への期待
著者: 中村孝志1
所属機関: 1京都大学医学部整形外科
ページ範囲:P.787 - P.787
文献購入ページに移動BMPはUristの1970年のScience誌の論文に始まり,その精製にはわが国の整形外科の多数の先生方が貢献し,とりわけ大阪大学の高岡氏らのグァジニンを用いた可溶化の仕事はBMP精製の重要な発見となっています.遺伝子のクローニングはGI社のWozneyらによってなされ,1988年にScience誌に発表されました.それ以来6年余りが経過し,初期生発における重要な働きや成熟した骨での働きが明らかになり,リセプターもクローニングされ基礎的な面で大きな進展を示しています.しかし,整形外科医が期待している臨床の場での治療への応用は残念ながら未だできていません.前に引用したG-CSFはわが国でクローニングされ臨床薬として開発されたものですが,クローニングが発表されてから1年余りで臨床第一相試験が始められています.G-CSFが1980年代の開発であり,90年代の分子生物学の進展を考えると,BMPの臨床応用にかなり手間取っている印象を持ちます.
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