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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻7号

1995年07月発行

文献概要

論述

高位𦙾骨骨切り術の術後成績に及ぼす肥満の影響について

著者: 黒河内和俊1 中村滋2 新田弘幸2 澤野浩2 湯川泰紹2 白松兼次2 楫野學而2

所属機関: 1名古屋大学医学部整形外科 2掛川市立総合病院整形外科

ページ範囲:P.789 - P.794

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 抄録:肥満は膝OAの増悪因子の一つとして知られている.われわれは肥満がHTOの術後成績に及ぼす影響について検討を加えた.一次性内側型膝OAに対してHTOを行った患者39名46膝を対象とした.手術は全て楔状骨切り後,引き寄せ締結法による内固定を行い,術後6週間のギプス固定を行った.46関節をBMIにて肥満群12関節と非肥満群34関節に分類し,年齢,grade,JOA,FTA,関節可動域,患者の満足度について比較した.術前後の年齢,grade,JOA,FTA,関節可動域については2群間に有意差は認められなかったが,JOAの術後獲得点数,術後獲得AOM,患者の満足度が肥満群では有意に低下していた.JOAのうち特に疼痛歩行能の改善が有意に低かった.つまり,肥満はHTO術後成績の不良因子である.肥満患者に対してHTOを行う際には,その性格も考慮して,術前の説明やリハビリでは特に配慮が必要である.また,術前からの継続的な肥満の治療が不可欠である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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