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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻7号

1995年07月発行

文献概要

シンポジウム 原発性脊椎悪性腫瘍の治療

脊椎原発性悪性腫瘍に対する仙骨切断,椎骨全摘術と脊柱再建

著者: 金田清志1 武田直樹1 種市洋1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科

ページ範囲:P.843 - P.850

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 抄録:原発性悪性腫瘍に対する手術的治療として腫瘍椎骨全摘術と脊柱再建術を解説し,当科で手術治療された悪性脊椎腫瘍,骨巨細胞腫など25例の治療成績を調査した.仙骨腫瘍では広範切除と考えられた症例の50%に再発ないし転移を生じた.手術にあたっては腫瘍の侵食範囲を正確に知り術後の神経脱落に躊躇することなく,十分安全な切除縁で切除を行うことが重要である.進入法では,S1/2レベルまで後方法のみで対処可能であることが示唆された,造血性腫瘍は化学療法・放射線療法に感受性が高いので手術適応は,放射線療法・化学療法後に残存ないし悪化進行する脊柱不安定性による頑固な疼痛,椎体圧壊からの後弯変形増強と圧壊椎体の脊柱管内陥入による神経障害のある時(神経除圧と脊柱再建),急速な麻痺悪化(緊急除圧)などである.造血性腫瘍以外の頚・胸・腰椎の腫瘍では化学療法・放射線療法に感受性のある腫瘍の場合,椎骨全摘術による腫瘍切除と補助療法により局所コントロールが可能であった.椎骨全摘術では,腫瘍の局在・大きさ・周囲の重要臓器との関連から適切な進入法が選択されるべきである.en bloc切除と腫瘍細胞汚染を最小限にする努力によりさらに根治性が高められる可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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