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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻7号

1995年07月発行

文献概要

臨床経験

骨転移を来した悪性褐色細胞腫の1例

著者: 網野浩1 土谷一晃1 武者芳朗1 芦沢修一1 茂手木三男1 亀田典章2 蛭田啓之2 丸山優3

所属機関: 1東邦大学医学部整形外科 2東邦大学佐倉病院病理 3東邦大学形成外科

ページ範囲:P.891 - P.894

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 抄録:骨転移を来した悪性褐色細胞腫の1例を経験した.症例,43歳,男性.左前胸部腫瘤を主訴に来院した.3年前に右副腎褐色細胞腫摘出術を受けている.全身状態に異常所見なく,血圧も正常で,血液,生化学検査,尿中VMAなどに異常所見はなかった.左第2肋骨を中心に約2×3cm,弾性硬の腫瘤を触知し,MRIで腫瘍は鎖骨,第1肋骨,肺に密接していた.99mTcDP骨スキャンでは腫瘍部にのみ集積を認めた.生検にて悪性神経原性腫瘍が疑われ,広範切除術を施行した.病理組織学的に,多角形から紡錘形の腫瘍細胞が増殖し,免疫組織化学的にS-100蛋白,NSE陽性であり,原発巣の病理所見とあわせてホルモン活性のない褐色細胞腫の転移と診断した.切除縁評価はmarginalで,1年6カ月の経過で再発を認めていない.褐色細胞腫の約10%は転移を来し悪性とされるが,病理組織学的に良悪性の診断は困難であり慎重な経過観察が必要と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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