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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻8号

1995年08月発行

文献概要

整形外科基礎

前腕骨間膜の機能解剖―dorsal oblique cordを中心にして

著者: 中村俊康1 矢部裕1 堀内行雄1 関敦仁1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.945 - P.950

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 抄録:新鮮凍結屍体5体7肢を用いて前腕骨間膜の機能解剖を行い,従来報告されている腱様部と膜様部に加えて,骨間膜背側の尺骨近位1/4境界部から模骨中央部に向かい,腱様部とcrossする方向に走行するdorsal oblique cordを6肢に確認した.このcordは,前腕掌側の近位に存在する斜索と走行方向は同じであったが,より強靱で,手関節を遠位方向に引く牽引力に抵抗すると考えられた.前腕回内外に際して,骨間膜は中間位ではほぼ平面状を呈し,全体に緊張した.回内,回外位では腱様部の緊張が強かったが,腱様部の緊張する位置は移動した.一方,膜様部は支持性が少なく,回内外時,紙を折り曲げる様に容易にたわみ変形した.これらの結果から骨間膜の機能は筋間中隔,筋の起始,軸圧の分散・伝達と遠位方向への牽引力に抗するとともに,回旋を円滑にしつつ橈尺骨間の支持性を保つことにあると考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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