文献詳細
文献概要
基礎知識/知ってるつもり
ガラス・セラミック
著者: 山室隆夫1
所属機関: 1京都大学
ページ範囲:P.951 - P.951
文献購入ページに移動このような欠点を克服する目的で作られたのがガラス・セラミックである.例えば京都大学で開発されたセラボーンAWは酸化アパタイトとウォラストナイトという2種類の結晶とガラス相とからなる複合材料である,したがって,セラミックとガラスの両方の性質をもっている.ウォラストナイトと呼ばれるSiO2-P2O5-CaO系の結晶は機械的強度がかなり大きいので,この結晶を含むセラボーンAW自体もその機械的強度は合成水酸アパタイトよりも,また,人の皮質骨よりも大きくなっている.しかし,一方ではセラボーンAWはガラス相をもっているので,その溶出が合成水酸アパタイトよりも速く,短時間(4週間以内)で骨と結合する性質をもっている.
掲載誌情報