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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻8号

1995年08月発行

文献概要

臨床経験

特発性脊髄髄内出血の1例

著者: 牧田聡夫12 鎌田修博1 松本隆志1 丸岩博文1 加藤満子1 名倉武雄1 山中芳1

所属機関: 1静岡赤十字病院整形外科 2現:川崎市立川崎病院整形外科

ページ範囲:P.973 - P.976

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 抄録:今回われわれは肩甲間部痛で発症し,その後急速に四肢麻痺に至った特発性脊髄髄内出血の1手術例を報告する.症例は43歳男性.肩甲間部痛で発症し,発症2週後両上肢,体幹臍以下のしびれ,右手握力低下が出現した.発症3週後MRIを施行し,C6-7高位にT1,T2強調画像にて高信号域を認め,脊髄髄内出血が疑われ精査入院予定であったが,発症4週後急激に麻痺が進行し四肢麻痺となったため緊急手術となった.C6-7高位でミエロトミーすると中心部に新旧混在する出血巣があり,周囲の灰白質は融解軟化し,壊死と思われた.術後上肢の麻痺は回復したが,両下肢の麻痺は改善しなかった.これまでの報告例同様麻痺進行後では術後に重篤な後遺症を残すことが多いため,MRIにて本疾患が疑われた場合,麻痺症状が軽度であっても,できれば軽度なうちに早急に手術を施行すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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