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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻8号

1995年08月発行

文献概要

臨床経験

小児頚髄損傷の1例

著者: 村上英樹12 山田義夫1 森川精二1 堀井健志1 安念悟3

所属機関: 1市立敦賀病院整形外科 2現:石川県立中央病院整形外科 3泉ヶ丘温泉病院整形外科

ページ範囲:P.991 - P.995

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 抄録:10歳の女児に発生した稀な外傷性頚髄損傷の1例を経験した.症例は,受傷時腱反射および知覚が正常で脊髄ショック期がみられず,骨傷が比較的軽度の割にMRI上脊髄の損傷は広範囲におよび,知覚は遅発性麻痺を呈するという特異な臨床像,経過をとった.C3/4椎間板レベルの脊髄が最も強く損傷を受け,この部分を中心に浮腫が広がったため遅発性に知覚麻痺が顕著となり,浮腫の軽減によって徐々に麻痺が回復したと考えられた.しかしC3/4椎間板レベルの脊髄に空洞形成が発生し,そのため軽度の上肢の麻痺が遺残した.本例では良好な麻痺の回復が観察されたが,これは小児の成長期における神経系の旺盛な順応性にあると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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