icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻9号

1995年09月発行

文献概要

論述

脳性麻痺の亜脱臼股に対する大腿骨骨切り術

著者: 野村忠雄1 林律子1 西村一志1 加畑多文1

所属機関: 1石川整肢学園・小児整形外科センター

ページ範囲:P.1037 - P.1044

文献購入ページに移動
 抄録:大腿骨減捻内反骨切り術を施行した脳性麻痺(CP)の股関節亜脱臼33例37股の成績を調査した.手術時平均年齢は8.6歳であった.追跡時移動能力が1ランク以上向上したものは4例で,術前の運動機能までに回復する期間は平均11.7カ月であった.股関節の外転可動域には改善をみなかった.X線像での改善はCE角で術前-6.1が追跡時13.0°となり,migration percentage(MP)はそれぞれ57.2%が34.4%に,みかけの頚体角は160.7°が130.8°に,Sharp角が53.3°が48.1°となった.追跡時判定で優は22股59.5%,良は10股27.0%,可は4股10.8%で,不可(完全脱臼)は1股(2.7%)であった.手技上の問題のあったものや臼蓋形成不全が残存したものの成績は不良であった.CPの股関節亜脱臼には軟部組織解離術を第1選択とすべきであるが,不安定性が進展するものにはDVOは有効な手段である.しかし,8歳以後で術前Sharp角が55°以上の症例ではその後の臼蓋のremodelingに限界があった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら