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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻9号

1995年09月発行

文献概要

臨床経験

脊髄症を呈した広範囲頚椎後縦靱帯肥厚症の1例

著者: 堂埜秀文1 藤田隆生1 藤戸完典1 岩波寿子1 長谷斉2 平澤泰介2

所属機関: 1社会保険京都病院整形外科 2京都府立医科大学整形外科

ページ範囲:P.1093 - P.1096

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 抄録:脊髄症を呈した広範囲頚椎後縦靱帯肥厚症に対し,手術的加療を行い良好な結果を得た.症例は54歳の男性で,両下肢に知覚鈍麻と筋力低下および高度の巧緻運動障害を認め,軽度の歩行障害を伴っていた.単純X線像,断層撮影像ともに靱帯の骨化所見は認めなかったが,CTでC6椎体上縁の後方で椎体とは非連続性の小骨化陰影を認めた.またMRIの矢状断で脊髄はC3からC6にかけて前方よりT1,T2強調像で低信号を示す組織による高度の圧迫を認め,頚椎後縦靱帯肥厚症と診断した.脊柱管拡大術を施行後,症状は著明に改善し,原職に復帰した.後縦靱帯骨化による脊髄症はよく知られた疾患であるが,近年MRIの普及に伴い本症の報告が散見され,後縦靱帯骨化症の前駆状態ではないかとの議論が盛んである.本症例は広範囲に連続性の肥厚がありその中にすでに小骨化巣がみられ,今後後縦靱帯骨化症に進展する可能性が示唆され現在も経過観察中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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