icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻9号

1995年09月発行

文献概要

臨床経験

先天性脊椎骨端異形成症の1例

著者: 二井英二1 矢田浩1 西山正紀1 小保方浩一2 山崎征治2

所属機関: 1三重県立草の実学園整形外科 2上野総合市民病院整形外科

ページ範囲:P.1105 - P.1108

文献購入ページに移動
 抄録:比較的稀な先天性骨系統疾患のひとつである先天性脊椎骨端異形成症(以下SED congenita)の成人例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告した.症例は,46歳,男性で.顔面,頭蓋は正常,低身長,四肢体幹の短縮が著明で,外反膝,腰椎前弯,軽度の側弯などを認めた.Wynne-Daviesらは,多くの臨床的異質性の存在を指摘し,低身長の重症度と内反股の重症度は比例するとしているが,本症例は明確な分類は出来なかった。鑑別診断としては,Morquio病,捻曲性骨異形成症,変容性骨異形成症,Kniest骨異形成症,Dyggve-Melchior-Clausen骨異形成症,脊椎骨幹端異形成症などがあげられるが,Morquio病が鑑別上もっとも重要である.また,SED congenitaでは,大腿骨骨頭の変形が高度である症例が多いが,本症例のように高度の骨頭変形がみられても,疼痛がみられない症例も少なくなく,小児期での疼痛予防のための観血的療法は,慎重に考慮されるべきであると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら