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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻9号

1995年09月発行

文献概要

臨床経験

特発性手舟状骨壊死の1例

著者: 阪田武志1 日高典昭2 露口雄一3 土井照夫3

所属機関: 1信原病院整形外科 2大阪市立大学医学部整形外科 3大阪労災病院整形外科

ページ範囲:P.1117 - P.1120

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 抄録:発症頻度が稀とされている手舟状骨に生じた特発性骨壊死の1例を経験したので報告する.症例は34歳,男性,特に誘因なく左手関節痛が出現し,増強してきたため来院した.X線像で左手舟状骨近位部に骨硬化,遠位部に複数の嚢腫様陰影を認めた.MR上,Tl強調像で近位部は低信号,遠位部は低信号域と高信号域が混在していた.T2強調像では全体的に低信号を示し,骨嚢腫部に一致して高信号域を認めた.生検時の組織学的所見はempty Iacunaeを有する壊死骨梁と一部に新生骨がみられた.特発性手舟状骨壊死と診断し,手術を施行した.壊死骨を掻爬後,腸骨より採取した海綿骨を移植し,続いてKawai7)らの方法に従い方形回内筋付き骨移植を行った.術後1年6カ月を経過した現在,左手舟状骨のcollapseは認められず,経過良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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