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シンポジウム 腰椎変性すべり症の手術
緒言/「腰椎変性すべり症」治療の方向付け
著者: 富田勝郎1
所属機関: 1金沢大学医学部整形外科
ページ範囲:P.4 - P.5
文献購入ページに移動実際この疾患に対して,当面の症状のみを問題にすれば保存的治療でも充分な場合もあるし,逆にbiomechanicalに理に叶った手術を行おうとすれば勢い侵襲が大きくなってover treatmentだというそしりをも招き兼ねない.安全確実に腰痛・神経痛から解き放つのが目的であるとはいえ,同時に長期にわたって安定した治療効果をねらおうとすれば,いろいろな程度の病態があるこの疾患を一つの治療方針で貫こうとするのにはいささか無理があるように思われる.しかし最近のシンポジウムを聞いていると,少なくとも会場内では各自の意見が対立したままでなかなかお互いに譲らない激しい議論が交わされている.この熱気は会場の聴衆者としては楽しみのひとつでもあるが,その一方で路頭に放り出されたままの「迷える子羊」になったような気分にもなる.
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