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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻1号

1996年01月発行

文献概要

シンポジウム 腰椎変性すべり症の手術

脊椎固定を併用しない腰椎椎管拡大術症例の検討

著者: 小田裕胤1 河合伸也1 淵上泰敬1 白石元1 金子和生1 豊田耕一郎1

所属機関: 1山口大学医学部整形外科

ページ範囲:P.13 - P.22

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 抄録:腰椎変性すべり症はその発生機序に椎間関節を含む後方要素が深く関与し,すべりの発生とともに椎間関節には内側,外側および頭尾側方向への著しい増殖所見を呈す.この頭尾側の増殖性変化はX線斜位像で関節幅として描出され,その増大は結果として椎間可動性には制動に作用する.腰部脊柱管狭窄症状を呈する腰椎変性すべり症の手術的治療に際しては,すべりの下位椎の後上縁の切除や椎間関節の内側を含めた全周性の除圧が原則であり,加えて腰椎椎管拡大術の術式にて制動効果を有する増殖した椎間関節の外側部分の温存を図れば脊椎固定術の併用は避けられると判断した.術後6ヵ月以上経過した49症例の平均3年の成績は,優+良が94%と良好である.術後の椎間可動域は全例に減少し,全周性の除圧操作により硬膜管は前方へシフトし,その形態に沿った脊柱管前壁が新たに形成され,CTでは拡大された脊柱管が長期的にも再狭窄なく維持されていることが確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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