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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻1号

1996年01月発行

文献概要

シンポジウム 腰椎変性すべり症の手術

前方固定術の適応と成績

著者: 藤村祥一1 西澤隆1 朝妻孝仁1 戸山芳昭1 鈴木信正1 平林洌2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科 2慶應義塾看護短期大学

ページ範囲:P.65 - P.73

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 抄録:腰椎変性すべり症(DS)に対する前方固定術の手術成績を検討した.前方固定術は前方screw wiringの併用により,改善率がJOAスコア29点評価法で82%,しかも改善率50%以上の症例が91%を占め,また骨癒合率95%,すべりの整復率45%を獲得し,良好であった.しかし,改善率50%末満の不満足例もあり,その主因は外側型狭窄の合併と偽関節であった.外側型狭窄の合併例と偽関節例の改善率は劣っていた.また移植骨圧潰が28%発生し,その改善率は非圧潰例に比べ劣っていた.これらの結果から,DSに対する前方固定術は非高齢者で,椎間不安定性と中心型狭窄が主体のDS初期ないし中期が絶好の適応となり,DS後期ないし終末期の外側型狭窄には限界があった.また偽関節とともに移植骨圧潰が手術成績を左右する因子であるので,これらの発生を防止する対策を購じるべきと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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