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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻1号

1996年01月発行

文献概要

整形外科英語ア・ラ・カルト・40

比較的よく使う整形外科用語・その7

著者: 木村專太郎1

所属機関: 1那珂川病院

ページ範囲:P.84 - P.85

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●Christmas disease(クリスマス・ディズィーズ)
 これはクリスマスのときに罹る病気ではなく,伴性劣性遺伝形式をとる血液凝固因子の欠乏による凝固異常の疾患である.血液凝固因子には,第1番の“fibrinogen”(フィブリノジェン)から第IV番目の“calcium”を経て第XIII番目フィブリンを安定させる“fibrin stabilizing factor”まである.そのXⅢ番まである凝固因子の中で,第VI番目が永久欠番で,存在しない.
 筆者は1970年(昭和45年)のクリスマスの前のときに,アイオワ大学外科の最終学年のレジデントであった.このとき43歳の白人の女性が大きな出血性潰瘍で入院してきた.手術目的で色々の検査を施行していたが.血液凝固系検査の中で,“PTT”(partia1 thromboplastin time-部分トロンボプランスチン時間)だけが,54秒と延長していた.さらに血液学のコンサルティションの結果,凝固第IX因子(Christmas factor)の欠乏による“Christmas disease”と診断された.この診断はちょうどクリスマス時期であったために非常に印象深く覚えている.手術は十分な“fresh frozen plasma”を用意して臨み,手術手技も格別に丁寧にしたためか,大した出血もなく,無事に手術を終了することが出来た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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