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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻1号

1996年01月発行

文献概要

臨床経験

馬尾部同一神経根に生じた多発性神経鞘腫の1例

著者: 久野成人1 岩井宏次1

所属機関: 1久野病院整形外科

ページ範囲:P.99 - P.101

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 抄録:今回われわれは馬尾部の同一神経根に多発した神経鞘腫の稀な1例を経験したので報告する.症例は44歳の男性で右下肢痛を主訴とし来院した,髄液検査,ミエログラフィー,CTM,ガドリニウムDTPA造影MRI等により馬尾部の多発性脊髄腫瘍と診断し,手術を行った.術中,左S2神経根に沿って数珠状に生じた大小10個の腫瘍を認め,罹患神経とともに腫瘍を摘出した.病理組織診断は神経鞘腫であった.術後,症状は消失し,神経脱落症状もなく退院した.術後1年6ヵ月の現在,再発は認めない.
 多発性脊髄腫瘍の発生頻度は,脊髄腫瘍全体の3~4%と報告されているが,本症例のように神経鞘腫が馬尾部の同一神経根のみに多発していたものはわれわれが調べた限りでは過去6例のみであり,稀であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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