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臨床経験
MRIが診断に有用であった両手指爪床部グロームス腫瘍の1例
著者: 横田和典12 力田忠義1 立川勝司1 荒井隆志1 村上祐司1 盛谷和生1
所属機関: 1広島鉄道病院整形外科 2熊本機能病院
ページ範囲:P.107 - P.110
文献購入ページに移動症例は46歳の女性で,右示指指尖部の疼痛を主訴に来院した.初診時右示指爪中枢部は膨隆し爪床を透して青紫色斑を認めた.MRI上末節骨背側に径7mmの軟部腫瘤を認めた.手術にて摘出した腫瘤は7×7mmで,病理組織学的にグロームス腫瘍と診断した.術後,左中指にも同様の疼痛を訴えたが臨床症状に乏しく,MRIによりはじめて腫瘤の存在を確認した.手術時摘出した腫瘤は4×2mmであった.
MRIはその優れたコントラスト分解能と撮影方向の多様性を有すことから骨・軟部腫瘍の画像診断法として欠くことのできない存在になっている.グロームス腫瘍の診断においても病変の大きさ,局在を知るのに有用であり,特に臨床症状の乏しい症例では診断的価値が高いと思われる.
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