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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻10号

1996年10月発行

文献概要

整形外科英語ア・ラ・カルト・48

比較的よく使う整形外科用語・その15

著者: 木村專太郎1

所属機関: 1那珂川病院

ページ範囲:P.1144 - P.1145

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●DIC(ディ・アィ・スィ)
 腹部外科の領域では,この“DIC”は,“drip intravenous cholangiography”,すなわち点滴静注を行って胆道系統の異常を検索する“静脈胆道造影法”である.しかし通常“DIC”は“Disseminated Intravascular Coagulation”の略語であり,日本語で“播種性血管内凝固症候群”と訳されている.整形外科領域でも,この“DIC”は悪性新生物の治療のときや,輸血の際に,この面倒な“DIC”が起こる可能性があるので,ここに述べてみる.筆者も腹部の膿瘍や異型輸血のときに起こった“DIC”を経験している.
 簡単にDICの歴史的な背景を述べてみる.シルヴィウス(Deleboe Sylvius)が,ペストなどの疫病に罹ったときに生じる出血傾向について報告している.フランスのド・ブランヴィル(HMD De Blainville)は脳組織を磨り潰して静脈内に注入し,血液が凝固することを1844年に発表した.その50年後の1893年に英国のウールドリッジ(LD Wooldridge)は,ド・ブランヴィルの実験を追試し,脳組織や組織抽出液をゆっくり注射することにより,出血傾向が発現してくることを報告し,さらに1921年にミルズ(CA Mills)が同様の実験で血清フィブリノーゲン値が低下することを発表した.また蛇毒でも同様のことが起こることが報告されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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