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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻10号

1996年10月発行

臨床経験

腰椎変性すべり症に対するSteffee VSP system法の治療成績と矯正損失に影響を及ぼす因子

著者: 曽雌茂1 司馬立1 舟崎裕記1 岩永真人1 長谷川岳弘1 須郷正徳1 服部哲1 藤井克之1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学整形外科

ページ範囲:P.1149 - P.1153

文献概要

 抄録:腰椎変性すべり症に対して,Steffee pedicle screw fixation法を施行した31例について検討した.手術時年齢は,平均56.5歳で,術後経過観察期間は,平均2.1年であった.すべり椎体高位はL4が29例でそのほとんどを占め,すべり椎間数は全例が一椎間すべりであった.JOA scoreの改善率は,77.9%で良好な改善が得られていたが,改善率と骨移植法,術後のslip angle,術後のslip angleの矯正損失との間には相関は認められなかった.また,隣接椎間に及ぼす影響は,slip angleが負の症例で多く認められ,さらに固定上・下椎間では固定下位椎間により影響を及ぼしていた.
 一方,矯正損失には,術前の後屈位X線像における罹患椎間の局所後弯の残存と骨粗鬆症が関与し,骨移植法,術前罹患椎間可動域,椎間板変性の程度,椎間関節の形態などとは関係は認められなかった.術前の後屈位での局所後弯の残存,骨粗鬆症の存在する症例では,術後矯正損失をきたしやすく,注意する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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