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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻10号

1996年10月発行

文献概要

臨床経験

異常筋を伴った片側上肢肥大の1例

著者: 森幹士1 本城昌1 茶野徳宏1 福田眞輔1

所属機関: 1滋賀医科大学整形外科

ページ範囲:P.1155 - P.1158

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 抄録:異常筋を伴った片側上肢肥大の症例を報告する.症例は20歳の女性である.単純X線,CT,MRI等の検索で,右手手指骨の肥大,示指の尺側偏位および右上肢,特に手部での筋肥大を認めた.示指尺側偏位,片側上肢肥大の特徴より,腫瘍性疾患,RA等の関節疾患,さらにdistal arthrogryposisも考えられたが,臨床所見より上記疾患は否定され,異常筋を伴う片側上肢肥大が疑われた.術中,異常筋の存在を認め,異常筋の切除,中手骨の骨切りを併用した示指尺側変位の矯正術を行った.本症例でみられた異常筋の一つ(短指伸筋)は,分化上の先祖帰り,atavistic muscleと考えられている.他の異常筋も同様に,系統発生学上の進化過程にある不安定な筋群より出現し,筋肥大や片側上肢肥大を起こしたものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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