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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻10号

1996年10月発行

文献概要

臨床経験

骨粗鬆症による胸腰椎部多発性圧迫骨折後に遅発性脊髄麻痺をきたした1例

著者: 菅野裕雅1 張簡俊義1 大沼信一1 石河紀之1 湯浅昭一1 阿部栄二2

所属機関: 1寿泉堂綜合病院整形外科 2秋田大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1163 - P.1166

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 抄録:多発性に圧迫骨折を伴い遅発性脊髄麻痺を来した症例に対し,前方より脊柱管除圧・再建を行った.症例は76歳女性である.1994年1月より誘因なく腰痛が生じ,徐々に両下腿のしびれと疼痛が増強し入院となった.筋力は前𦙾骨筋がG,長趾伸筋がFに低下していた.単純X線ではT12,L1,L2の圧迫骨折があり,ミエログラムではT12での不完全ブロック像を認めた.手術は前方アプローチでT12推体後壁の骨片を切除し,T11からL3までKaneda device多椎間固定システムと椎間スペーサーを用いて固定し,骨移植を併用した.術後1年3カ月の現在,両足関節以下のしびれはあるものの筋力はNに回復した.前方法は,胸膜外腹膜外侵入で行えば老人に対しても比較的侵襲は少ない.また,脊柱管内骨片を安全に除去でき,前方に支柱を置くことができるためinstrument破損が少なく,固定範囲が少なくてすむなどの利点がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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