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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻10号

1996年10月発行

文献概要

臨床経験

Miller-Galante Ⅰ型人工膝関節置換術後における膝蓋骨コンポーネントの破損について

著者: 児玉篤1 黒瀬靖郎1 室積正人1 山中威彦1 津下健哉1

所属機関: 1広島県立身体障害者リハビリテーションセンター整形外科

ページ範囲:P.1171 - P.1175

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 抄録:われわれはMiller-Galante Ⅰ型(以下M/G Ⅰ)を使用した人工膝関節置換術(以下TKA)後,6年7カ月でメタルバック付き膝蓋骨コンポーネントの破損を来した症例を経験した.M/G Ⅰ-TKAの追跡調査を行い5例7膝(11.7%)に破損例を認めたためコンポーネント破損群(以下破損群)と非破損群について検討を加えた.1987年4月より1991年3月までM/G Ⅰ-TKAを56例82膝に施行したが,7例9膝が死亡,1例1膝が大腿切断であり,追跡調査が可能であった38例60膝について検討した.男4例4膝,女34例56膝.調査時平均年齢66.8歳.変形性膝関節症16例25膝,慢性関節リウマチ22例35膝.平均観察期間は5年9カ月であった.破損群は全例女性で屈伸時に異常音を聴取した.X線ではmetallosisと思われる淡い陰影がみられた.破損群と非破損群を比較すると基礎疾患,肥満度および可動域(ROM)に有意差を示し,またX線軸射像(膝屈曲45゜)で膝蓋骨のtilting angle,lateral shiftに有意差を示した.そしてFTAの矯正角度についてはOA症例に限って有意差を示した.M/G Ⅰ-TKA後の膝蓋骨コンポーネントが比較的早期に破損を来した原因として患者の問題(肥満度,可動域),膝蓋骨コンポーネントの問題(ドーム状の形態,メタルバック,Poly-TwoTM),手技上の問題(軟部組織バランス)が考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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