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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻10号

1996年10月発行

臨床経験

intraspinal cyst(premembranous hematoma)の1例

著者: 徳谷聡12 片野博1 市川司朗1 石橋恭之1 越後谷直樹1 三浦一志1 横山隆文1 富田卓1

所属機関: 1弘前記念病院整形外科 2県立中央病院整形外科

ページ範囲:P.1195 - P.1198

文献概要

 症例は25歳,男性.腰痛,左下肢痛を主訴とし当科を受診.左L5神経根の刺激症状あり,軽度の筋力低下が認められた.当初,腰椎椎間板ヘルニアが疑われたが,L4/5椎間板レベルからその近位に,椎間板造影にて造影剤が貯留し,MRI T2強調画像にて高信号のmassを認めた.手術では,L5神経根と癒着する嚢腫が存在した.嚢腫内には陳旧性,漿液性の血腫が貯留しており,椎間板との交通が確認された.PLL(posterior longitudinal ligament)はintactで,この血腫は硬膜外静脈からの出血がperidural membraneと椎体の間に貯留したものであると考えられた.嚢腫摘出により症状は消失した.腰椎椎間板ヘルニアの鑑別診断として,念頭におくべき病態と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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