icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻10号

1996年10月発行

文献概要

臨床経験

手根骨遠位列に発生した骨内ガングリオンの2症例

著者: 櫛方暢晴1 寺嶋博史1 茂木政和1 島本司考1 茂手木三男1 梅田嘉明2

所属機関: 1東邦大学医学部整形外科学教室 2横浜東邦病院

ページ範囲:P.1203 - P.1206

文献購入ページに移動
 抄録:手根骨遠位列に発生した骨内ガングリオンの2例を経験した.症例1:47歳,女性.主訴は右手関節部の運動時痛であった.X線上有鉤骨に円形の単房性嚢腫様透明巣を認めた.術中所見にて有鉤骨背側に接して小腫瘤がみられ骨内と交通し,一部は手根中手靱帯と連続していた.病理組織所見は密な線維組織より成り,明らかなlining cellはなく,ガングリオンと診断された.症例2:24歳女性.主訴は左手関節部痛でX線上大菱形骨に円形の骨透明巣を認めた.術中所見にて大菱形骨隆起基部の掌側手掌面に腫瘤がみられ骨内と交通していた.病理組織所見は症例1と同様であった.発生機序として症例1は手根中手靱帯と連続していたことより骨外発生のガングリオンが骨髄内に侵入したものと想定したが,症例2は不明である.手根骨遠位列発生例は自験例を含め9例ときわめて稀であるが,この理由は手関節の機能解剖学的な特徴によるものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら