icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻11号

1996年11月発行

文献概要

論述

鵞足の解剖と膝靱帯再建術への臨床応用

著者: 黒部恭啓1 安田和則1 宮田康史1 金田清志1 末永義圓2

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科 2北海道大学医療技術短期大学作業療法学科

ページ範囲:P.1219 - P.1223

文献購入ページに移動
 抄録:靱帯再建術のための半腱様筋腱と薄筋腱の採取手技を確立するため,解剖実習用遺体60体と新鮮凍結膝2肢を用いて鵞足に関する詳細な解剖学的研究を行った.伏在神経は,𦙾骨結節の内側から内後方へ約9cmの位置で縫工筋腱と薄筋腱の間から皮下にでる.膝蓋下枝の分岐の状態は個体差があり,3型に分類することが可能であった.半腱様筋腱の100%,薄筋腱の83%において,鵞足への主停止部以外に下腿三頭筋筋膜に停止する1~数束の強靱な線維束を認めた.腱採取を鵞足部の小皮切から行う時,これら線維束が各腱の同定を困難にし,腱剥離子を用いた採取時に腱切断をきたす原因の一つになっていた.以上の結果より,伏在神経を温存するためには,縫工筋腱の停止部より80mm以上後方における非直視下での剪刃の使用を避けること,および各腱の採取に際しては下腿腱膜へ停止する線維束を確実に切離することが推奨される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら