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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻11号

1996年11月発行

文献概要

論述

放射線照射後の脊柱変形―その病態と治療

著者: 今泉佳宣1 斉藤正史1 柴崎啓一1 大谷清1

所属機関: 1国立療養所村山病院整形外科

ページ範囲:P.1237 - P.1244

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 抄録:体幹への放射線照射後に脊柱変形を生じた6例を経験し手術を行った.全例で5歳までに放射線照射を受けていた.放射線治療疾患は血管腫,神経芽細胞腫が各2例,神経節細胞腫,Wilms腫瘍が各1例であった.照射部位は後腹膜腔4例,背部,鎖骨部が各1例であった.脊柱変形手術時平均年齢は15歳,術後平均経過観察期間は55カ月であった.脊柱変形の内訳は側弯3例,後側弯3例であり,後腹膜腔照射の4例中3例で頂椎椎体の変形を認めた.手術は全例に後方固定術を施行した.側弯角は術前平均58.8°,最終調査時平均52.7°であった.術後も側弯の進行した1例を除き平均側弯矯正率は38.5%であった.後側弯3例中2例で術後後弯が進行した.術後合併症として偽関節を2例に認め再手術を行った.放射線照射後の脊柱変形で椎体の変形や高度の軟部組織の瘢痕および萎縮を伴う症例では治療に難渋することがあり,早期の手術的治療が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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