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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻11号

1996年11月発行

文献概要

臨床経験

平滑筋肉腫を合併したWerner症候群の1例

著者: 永澤博幸1 岡田恭司1 斎藤晴樹1 渡部亘1 佐藤光三1

所属機関: 1秋田大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1273 - P.1276

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 抄録:結合組織の代謝異常疾患であるWerner症候群に肘部の平滑筋肉腫を合併した1例の経験を述べた.患者は27歳の女性で左肘外側の皮下腫瘤を主訴として受診した.既往歴に両側の白内障と子宮筋腫がある.頭髪は薄く,顔貌は老人様であり,強皮症様皮膚変化を認めた.血液検査では糖同化障害を認め,Werner症候群の確実例(1984,厚生省)と診断した.腫瘍はMRIのT1強調像で高信号域と低信号域が混在しており,境界はやや不明瞭であった.血管造影では濃染像や早期静脈描出を認め,悪性腫瘍と考えられた.手術は辺縁切除術を行い,皮膚欠損部はbipedicle flapにて被覆した.病理診断は平滑筋肉腫であった.術後11カ月で局所再発と遠隔転移を生じ,術後2年4カ月で死亡した.自験例を含めたWerner症候群に悪性骨軟部腫瘍が合併した10例について検討し,本症では手術療法後に局所再発が生じやすいことを指摘した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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