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臨床経験
肺癌手術後に発症した止血用材による両下肢麻痺の1例
著者: 金明博1 大坂芳明1 小山茂和1
所属機関: 1南大阪病院整形外科
ページ範囲:P.1277 - P.1280
文献購入ページに移動患者は62歳男性.肺癌に対し左上葉切除ならびに胸壁合併切除術を施行されたが,術後2日目に両下肢の麻痺症状に気づいた.MRIおよびCTMにて硬膜外腫瘍が疑われたが椎弓切除術の結果,血液を吸収したオキシセルを脊柱管内に認め,胸壁切除の際に椎間孔に充填されたオキシセルが膨化し脊髄を圧迫したものと考えられた.止血の際に傍脊椎または脊柱管内にオキシセルを留置することはその膨化作用のため危険であり,極力さけるべきである.
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