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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻11号

1996年11月発行

文献概要

臨床経験

手根骨長軸性脱臼の治療成績

著者: 稲垣弘進12 花木和春1 竹内俊彦1 井上五郎3

所属機関: 1西尾市民病院整形外科 2東海病院整形外科 3名古屋大学分院整形外科

ページ範囲:P.1291 - P.1294

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 抄録:手根骨長軸性脱臼の7例を経験したので,その治療成績について報告する.症例は男性5例,女性2例,平均年齢38歳であり,受傷原因は圧挫6例,交通事故1例であった.Garcia-Eliasらの脱臼型分類では尺側型5例,橈側型2例であった.合併損傷は,他の脱臼骨折6例,動脈損傷2例,神経損傷4例,筋挫滅5例であった.治療は可及的に整復固定を行ったが,2例は再整復を要した.さらに症例により静脈移植や皮弁形成術が必要であった.術後平均観察期間は64カ月で握力健側比平均61%,手関節可動域健側比平均78%であり,手関節痛は全例なかった.Cooneyの臨床評価は平均74点で,優1例,良2例,可3例,不可1例であった.
 脱臼型と予後は必ずしも相関せず,筋肉神経損傷合併例は予後が悪く,握力低下が顕著であった.早期治療が原則で,脱臼整復だけでなく軟部組織の再建に留意し,また術後拘縮予防対策も重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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