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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻12号

1996年12月発行

文献概要

視座

硬さのとれない日本人

著者: 星野雄一1

所属機関: 1自治医科大学整形外科

ページ範囲:P.1319 - P.1319

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 国際学会などでしばしば感じることであるが,日本人の印象は概して硬い.公用語であることの多い英語に自信がないために無口であることが大きな原因ではあろうが,もう一つ重要なのが外見である.日本人はきちんとした地味なスーツ姿での参加が多く,これは他人に不快感を与えないという点では最低限まちがいのない格好である.他国との人の出入りの少ない2000年の歴史を狭い島国に寄り添うように生きてきたため,個人の自由を主張しあうのではなく同種であるという他人の了解を互いに求めあうほうが安心していられる社会の形態に由来すると考える.このような日本人の性癖は,きちんとしているという印象を与える点では有利であっても,打ち解けた率直な雰囲気とは反対のものであり,場合によっては不利になることさえあり得る.
 ハワイでの日米脊椎外科合同会議(スパイン・アクロス・ザ・スィー)で面白い経験をした.学会初日,蒸し暑い中,小生も含めほとんどの日本人はスーツ姿であった.一方,米国人はといえば,発表者はさすがにネクタイをするものが多かったが,たいがいの聴衆はポロシャツ姿,なかには浜辺から戻ったばかりの短パン姿のものもいた.2日目,日本人のなかに半袖シャツでノーネクタイ姿が目立ち始め,3日目にはかなりの者がポロシャツ姿となっていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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