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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻12号

1996年12月発行

文献概要

手術手技 私のくふう

大腿骨遠位部の転移性骨腫瘍に対するハックステップ髄内釘による膝関節固定術

著者: 高木信博1 松田雅彦1 川路博之1 加藤博文1 松木達也1 蓮池尚文1

所属機関: 1市立酒田病院整形外科

ページ範囲:P.1351 - P.1356

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 抄録:予後不良と判断した大腿骨遠位部の転移性骨腫瘍に対して,ハックステップ髄内釘による膝関節固定術を試み,良好な結果を得たので報告する.症例は,73歳男性,56歳女性の2例で,原発巣はそれぞれ,胃癌,腎癌であった.手術はいずれも,腰椎麻酔下に施行された.大腿骨遠位部の骨転移巣は放置し,また同部を展開することなく閉鎖的に,ハックステップ髄内釘を大腿骨近位部から𦙾骨骨幹部まで挿入することが可能であった.手術時間と出血量はそれぞれ,3時間30分,340mlと2時間40分,950mlであった.術後,疼痛の改善と下肢の支持性を再獲得できた.
 この方法は,低侵襲性であり,全身状態の悪化した,ある程度予後不良な症例の場合にも適応が可能で,大腿骨遠位部の転移性骨腫瘍を伴った単発性または多発性の骨転移患者のQOLの維持に有用な手術法の一つである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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