文献詳細
文献概要
整形外科英語ア・ラ・カルト・50
比較的よく使う整形外科用語・その17
著者: 木村專太郎1
所属機関: 1那珂川病院
ページ範囲:P.1370 - P.1371
文献購入ページに移動体内を観察する器具を“endoscope”と呼ぶが,これはフランスのパリにあるネツカー(Necker)病院の泌尿器科医デゾルモーが尿道鏡を考案したときに,“中を覗く”という意味でエンドスコープ(endoscope- 内視鏡)という言葉を造った.ドイツの医者クスマウル(Adolf Kussmaul 1822-1902)の名前は,糖尿病や尿毒症のときに起こる“ketoacidosis”の際に現れる大呼吸“クスマウル呼吸”に残っている,これは脳血管障害の患者や心肺疾患の重症末期に観察されるチェーン・ストークス(Cheyne-Stokes)呼吸とともによく知られている.クスマウルは,パリのデゾルモーの処で尿道鏡を見学し,その尿道鏡のアイデアを基にして1868年に金属管の胃鏡を作成した.これが最初の胃内視鏡である,クスマウルが使用した胃鏡は第2次大戦で焼失したが,その複製品は私の母校の九大耳鼻咽喉科教授久保猪之吉がドイツ留学のとき持帰り,九大の久保猪之吉記念館に保存されている.平成9年10月10日に福岡市で催される日本医史学会のときに,多分公開されるものと期待している,現在多くの分野で内視鏡があり,整形外科でも関節鏡など大いに利用されている.従来では大きな切開を行い厄介であったものが,現在では小さな傷から内視鏡を挿入して行う“minimal invasive Surgery”が盛んである.
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