icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻12号

1996年12月発行

文献概要

整形外科英語ア・ラ・カルト・50

比較的よく使う整形外科用語・その17

著者: 木村專太郎1

所属機関: 1那珂川病院

ページ範囲:P.1370 - P.1371

文献購入ページに移動
●endoscope(エンド・スコゥプ)
 体内を観察する器具を“endoscope”と呼ぶが,これはフランスのパリにあるネツカー(Necker)病院の泌尿器科医デゾルモーが尿道鏡を考案したときに,“中を覗く”という意味でエンドスコープ(endoscope- 内視鏡)という言葉を造った.ドイツの医者クスマウル(Adolf Kussmaul 1822-1902)の名前は,糖尿病や尿毒症のときに起こる“ketoacidosis”の際に現れる大呼吸“クスマウル呼吸”に残っている,これは脳血管障害の患者や心肺疾患の重症末期に観察されるチェーン・ストークス(Cheyne-Stokes)呼吸とともによく知られている.クスマウルは,パリのデゾルモーの処で尿道鏡を見学し,その尿道鏡のアイデアを基にして1868年に金属管の胃鏡を作成した.これが最初の胃内視鏡である,クスマウルが使用した胃鏡は第2次大戦で焼失したが,その複製品は私の母校の九大耳鼻咽喉科教授久保猪之吉がドイツ留学のとき持帰り,九大の久保猪之吉記念館に保存されている.平成9年10月10日に福岡市で催される日本医史学会のときに,多分公開されるものと期待している,現在多くの分野で内視鏡があり,整形外科でも関節鏡など大いに利用されている.従来では大きな切開を行い厄介であったものが,現在では小さな傷から内視鏡を挿入して行う“minimal invasive Surgery”が盛んである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら