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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻12号

1996年12月発行

文献概要

臨床経験

骨端板閉鎖前に発生した上腕骨頭類骨骨腫の1例

著者: 吉野匠1 小川清久1 宇井通雅1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1385 - P.1388

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 抄録:成長期に,骨端の骨硬化性病変を見ることは稀である.今回われわれは成長期の上腕骨頭に骨硬化性病変が生じ,診断に苦慮したOsteoid osteomaの1例を経験したので報告する.症例は8歳男児で,左肩関節痛を主訴とし来院した.単純X線で左上腕骨骨端部に境界明瞭な径10mmの骨硬化像を認める以外に,臨床検査で明らかな異常はなかった.抗生剤の投与により局所の腫脹,熱感,発赤,疼痛などの炎症症状は緩解したが,その後もしばしば再発を繰り返したため,治療と最終診断を兼ねて病巣掻爬を施行した.抗生剤の投与により症状の緩解を見たという臨床経過からは,Brodie骨膿瘍が最も疑われたが,培養で菌が検出されなかったことや,病理組織診,さらにCT像などから,最終的にOsteoid osteomaと診断した.10年経過した現在,再発や危惧された成長障害は認められない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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