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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻12号

1996年12月発行

文献概要

臨床経験

軟骨粘液線維腫の2例

著者: 作左部昇1 岡田恭司1 堀川明1 阿部栄二1 佐藤光三1 千葉光穂2

所属機関: 1秋田大学医学部整形外科学教室 2秋田労災病院整形外科

ページ範囲:P.1389 - P.1392

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 抄録:軟骨粘液線維腫の2例の治療経験を述べた.症例1(10歳,女子)ではX線像にて左𦙾骨の近位骨幹端の多房性で境界明瞭な骨溶解像と,骨皮質の菲薄化と外側への膨隆を認めた.石灰化像や骨膜反応は認めなかった.生検にて軟骨粘液線維腫と診断し掻爬骨移植術を行った.症例2(60歳,女性)ではX線像にて右腸骨に薄い隔壁様構造を伴った境界明瞭な骨溶解像と,菲薄化した骨皮質を認めた.CTで内部にごく少量の石灰化像を認めた.MRIでは腫瘍はT1で低信号,T2で不均一に高信号を示し,ガドリニウムで増強された.生検で軟骨粘液線維腫と診断したが,MRIで周囲筋への浸潤が疑われたため広範切除術を行った.2例とも術後4年以上再発は認められない.軟骨粘液線維腫と軟骨肉腫の鑑別ではX線像での境界部の性状や石灰化像の有無が重要であり,さらに生検を行い確認する必要性を考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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