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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻3号

1996年03月発行

文献概要

論述

macro EMGを用いた不全麻痺肢における脱神経筋の評価

著者: 小西奈津雄1 島田洋一1 佐藤光三1 加賀谷斉1 宮本誠也1 松永俊樹1

所属機関: 1秋田大学医学部整形外科

ページ範囲:P.243 - P.250

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 抄録:定量的筋電図法であるmacro EMGを用いて,不全麻痺筋の運動単位電位(MUPs)を測定し,機能的電気刺激(FES)で問題となる脱神経筋の混在について検討した、対象は正常成人41例と疾患群として脊椎損傷9例(胸腰椎移行部損傷6例),脳血管障害3例の計12例である.Stålbergの手技に準じ,前𦙾骨筋,外側広筋,内側広筋で運動単位活動電位(MUPs)を計測し,正常群の測定値から正常範囲を求め,疾患群のMUPパラメータ値を評価した.脱神経筋の混在している可能性が高い胸腰椎移行部損傷群でのみパラメータ値は増加し,28筋のうち25筋が脱神経と判定された.25筋のうち8筋は普通針筋電図検査では判定しがたく,macro EMGによってのみ判定できた.これらの筋では,電気刺激に対する筋収縮反応も不良であった.macro EMGは,不全麻痺患者の脱神経筋をより厳密に評価することが可能で,FESにおける適応の決定や効果の予測を行う上で有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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