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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻3号

1996年03月発行

文献概要

論述

clear cell sarcomaの4例

著者: 堀田哲夫1 高橋栄明1 斎藤英彦1 井上善也1 生越章1 山村倉一郎1 江村巌2

所属機関: 1新潟大学医学部整形外科 2新潟大学病理部

ページ範囲:P.265 - P.269

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 抄録:clear cell sarcoma(CCS)4例の治療経験から,CCSの治療上の問題点を考察した.症例は男性2例,女性2例,年齢は34歳から72歳であり,発生部位は足部3例,手関節部1例であった.これらの症例は皮膚病変がなく,S-100蛋白とmalignant melanomaに特異的なHMB-45が陽性であり,CCSに特徴的な組織像を示した.経過観察期間は28~53カ月であり,無病生存中3例,死亡1例であった.3例にリンパ節郭清が行われたが,1例に既にリンパ節転移を認め,本例は多発転移のため死亡した.残りの2例は局所再発も転移も認めていない,初回手術時にリンパ節郭清を行わなかった足部発生の1例にリンパ節転移を生じ,二次的にリンパ節郭清を行ったが,2年1カ月後に胃壁転移を認めた.化学療法の効果判定はできなかった.CCSの治療では他の軟部肉腫と異なり,腫瘍の広範切除に加えて系統的予防的リンパ節郭清が重要であることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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