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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻3号

1996年03月発行

文献概要

臨床経験

血液透析患者に生じた両側大腿四頭筋腱および左アキレス腱断裂の1例

著者: 尾崎昭洋1 橋本淳1 園田万史1

所属機関: 1西脇市立西脇病院整形外科

ページ範囲:P.307 - P.310

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 抄録:症例は56歳男性で血液透析歴7年である,両側大腿四頭筋腱同時断裂をきたし,3年後に左アキレス腱断裂を生じた.以上の腱断裂に対し,それぞれの受傷後,当科にて腱の端端縫合と人工靱帯を用いた補強手術を施行した.術後経過は良好で,ADL上の問題もない.血液検査ではPTHの上昇と手指X線像での骨膜下骨吸収が認められ,二次性副甲状線機能亢進症と思われた.また術中所見と病理組織所見より断裂は付着部の骨組織を伴った裂離骨折であり,二次性副甲状線機能亢進症による腱付着部の骨の脆弱化が原因と考えられた.自家組織の脆弱な血液透析患者には,人工靱帯での補強は合理的かつ有用であるが,異物反応や組織間強度の差異による障害などが今後の問題と思われる.以上の症例に対し若干の文献的考察を加えて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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